美咲子の良好的伝言

美咲子のブログ

ささいな材料でも過剰反応するリスクが一段と高まっている。

美咲子です、長期金利の指標になる10年物国債利回りはわずか1日の間に激しく乱高下した。
前日まで米国市場で金利上昇が続き、日本の長期金利にも上昇圧力がかかっていたが、日銀は国債の購入を前回の購入時と 同額に据え置いたからだ。
日銀が購入額を大幅に増やして金利上昇を抑え込むと予想していた市場参加者は混乱。長期金利は一時、年0.150%まで跳ね上がった。
想定外の長期金利急騰を受け、日銀は慌てて市場実勢よりも高い価格で国債を無制限に買う指し値オペを打ち出して金利上昇を抑えた、だが金利操作が後手に回った感は否めない。
長期金利は一転して0.100%を下回ったものの、市場参加者には日銀への強い不信が残った。
市場には日銀への疑念を強める伏線があった。
1月下旬に日銀が市場の予想に反し、国債の購入を減らしたことだ。
日銀は将来の緩和の解除をにらみ、国債の購入を徐々に減らしていきたいのではないか。
不安にかられた市場参加者は2月に入ると、国債の購入を一 斉に手控えるようになっていた。
結局、日銀は市場心理を読み切れず、金利乱高下を招く事態になった。
だが金利操作で1マイナス金利政策による低金利効果を維持する2生保や年金基金に配慮して超長期債の利回りは引き上げる――という二律背反にも似た複雑な目標を掲げたために起きた必然の混乱ともいえる。
足元の長期金利は落ち着いている。
だが市場に根づいた日銀への不信はふとしたきっかけで金利急騰を再び引き起こしても何らおかしくない。
国内の金融機関や機関投資家はマイナス金利下で深刻な運用難にあえぐ分、少しでも利益を得ようとささいな材料でも過剰反応するリスクが一段と高まっている。